生徒さんに笑顔で話しかける内田かつのり先生

「ヨガ指導者は医者ではない」骨盤セラピーで伝わった内田先生の想い 第二話(全四話)

こんにちは!
ヨガジェネレーションのグッチです。
今回は東京で行われました骨盤セラピーのアンケート結果から、内田先生が「骨盤は歪まない」の奥に込めている想いやメッセージを皆さまと共有できたらとおもいます。
第一話では、「誰かの役に立ちたい」という優しい想いがきっかけで講座にお越し頂いている方が多いことにふれました。
 

役に立ちたいの落とし穴

内田かつのり先生の骨盤セラピーの様子他の講座でも共通して、アンケート結果に多いのが、「解剖学の知識を得て、特定の怪我や病気・不調に役立てたい」というものです。

  • 「膝関節・腰痛など、不調との関連性を知りたい」
  • 「『・・・それはお医者さんの判断に従ってください』としか言えないのが悔しいです」

お気持ちはすごく分かります。「力になりたい」「何かできることはないか」生徒さんをほっとけないですよね。

しかし、考えなければならないのは、ヨガ指導者はどこまで生徒さんの力になれるのかという点です。越えてはならない一線がどこに引かれているのか、誰もが「ヨガ指導者」を名乗れるからこそ慎重にならなければいけません。

講座にお越し下さる皆さまの役に立ちたい気持ちは、内田先生はひしひしと感じています。だからこそ、その優しさや強い意志が自分を苦しめるものにならないように、そして、誰もがハッピーになれるヨガ指導者としての寄り添い方をしっかりと判断できるように、内田先生は各講座で「医療との線引き」という意識を皆さんに伝えています。

専門的な知識で自分の立ち位置を明確にしていく

 
内田かつのり先生の骨盤セラピーの様子。内田先生が生徒さんの骨盤を触察しているのをのぞき込む生徒さんご存知の方も多いと思いますが、産婦人科医高尾美穂先生がヨガ指導者向けに講座を開催する理由の一つとしてこのようにおっしゃっていました。

「病院は少しハードルが高く感じませんか?『相談しに行ってみよう』とはなりにくいですよね。一方、ヨガ指導者は生徒さんとの距離が近く、相談をしてもらいやすい立場にあります。医療と生徒さんを繋ぐ役割になりえる可能性を大いに感じます。だからこそ、ヨガ指導者には正しい知識をみにつけてほしい。正しい情報を選択し伝えられるようになってほしい」

実際に皆さまが生徒さんに相談される機会が多いからこそ、こうして講座にお越し頂いているのだと思います。しかし相談にのることと、問題解決をすることは別問題です。専門的な知識を学んだからといって、ヨガ指導者は医者にはなりえません。
 
「ヨガは万能薬ではない」と内田先生がおっしゃっているように専門的な知識を学ぶことを推奨しているのは、「何でもOk!」「なんでもウェルカム!」「ヨガなら治せます!」をヨガ指導者に求めているわけではありません。求めてなどいないのです。
 
内田先生が「解剖学は医療のエリアに届く」とおっしゃっているのはできることと、できないことをしっかりと線引きした上で、正しく生徒さんの力になることを望んでいます。
 

知らず知らずに越えてしまうヨガ指導者の一線

内田かつのり先生の骨盤セラピーの様子。骨盤の触察の練習をしている生徒さん改めてアンケート結果を見てみましょう。
「お医者さんの判断に従ってくださいとしか言えない」という、悔しいお気持ちは共感できる方が多いのではないでしょうか?
 
しかし、この行為は間違っているのかといういうとどうでしょう?正しいお声がけだと感じます。ヨガ指導者は医者ではありません。病院や医師は専門分野が細かく分かれています。誰もが想像できるように医療の世界は広大なものですよね。
 
診察は医師の領域です。専門家にお任せしていいことではないでしょうか?むしろお任せしなければならないことだと思います。曖昧なことをお伝えせずに「これは医師の判断を仰いでもらうべきことだ」と自分の立場と医療との線引きを行えることのほうが大切です。
 
生徒さんが医師の判断を教えに来てくれた時、ご自身がどのような準備ができているのか?悔しい気持ちはしっかりと受け止めて、成長した自分で迎えてあげれるように日々の練習や勉強をするエネルギーにしてしまいましょう。
 

医師の判断の上での対症療法ならヨガは有効

内田かつのり先生の骨盤セラピーの様子。身振りを大きく説明をしている内田先生

暗記だけでは追いつけない医療の世界

「膝関節・腰痛なその不調との関連性を知りたい」
こうした具体的で且つ身近な不調をヨガで改善できる方法を求めるアンケート結果はとても多いです。「怪我をしない、させない」という講座があるのですが、「○○という怪我の時はどうすればいいですか?」という質問が多く飛び交います。

しかし内田先生ができる回答は「その答えはいくつ覚えなければならないの?」というものです。
 
これは意地悪なんかではなく、知った気になってしまうことが、確実に現場で自分を苦しめること、そして期待を持たせてしまった相手をがっかりさせることに繋がることを内田先生はわかっているからです。

対症療法としてのヨガの関わりあい

内田かつのり先生の骨盤セラピーの様子「膝が痛いときはこうすればいい」とネットや人づてに耳にしたとします。でも一度立ち止まって考えてみてください。
膝のどの部分が痛むのか、痛みの種類はどうか、原因は骨か筋肉かそれ以外の組織なのか、不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれる病名のつかない不調なのか、お水が溜まっているのかもしれない、痛みの原因は膝ではないかもしれない、痛くても動かしたほうがいいのか、はたまた安静がいいのか、ヨガ指導者が安易に「○○です」とは言えない、医療のエリアです。

「膝が痛くて病院にいったら、運動を勧められました」という生徒さんがいたら、ヨガ指導者にできることはあります。「膝が痛くてできることが少なくて落ち込んでます」この場合もヨガで力になれることがありそうですよね。「膝が痛くて・・病院で検査したらどうやら骨に異常があるみたいです」これはヨガではなく、外科のエリアです。

根本的な原因究明や治療行為は医師の仕事です。しかし、対症療法(根本治療行為ではなく、起きている症状を緩和させる療法)としてヨガにできることは多く、期待できると内田先生はおっしゃっていました。だからこそ医療の知識、ヨガとの線引き、解剖学を活かした効果的なヨガ指導を熟成させ、シニアヨガで代表されるように代替医療・予防医学の一環として、社会に認められる存在であってほしい想いをのせて、講座をお届けしています。
 
第三話は、骨盤セラピーの講座の本題「骨盤は歪まない」をテーマにした内容をおとどけします。なぜこんなにも世の中に「歪む」発言が多いのか、その改善をにおわせるクラスタイトルが多いのか、その中で内田先生は「歪まない」と伝え続けている理由をお届けしたいとおもいます。
 
第三話へ続く
骨盤模型が背中においてある
ヨガ解剖学ティーチャーズトレーニング

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