アナトミックヨガ最終月「シニアヨガは僕の使命だ。」

さかたのりこです。

まだ5月か、もう5月か。
少なくとも、内田先生にとっては記憶を辿るのも難しいほど、あっという間の5ヶ月でした。

「母の月」をテーマにした今月のアナトミックヨガ。このレギュラークラスが終わった先には「いまの僕に与えられた使命」と、内田先生が全身全霊を注いだ「シニアヨガ指導者養成講座」が始まります。

そのバックボーンにあるものとは…?
先週の記事の続き、少しだけお付き合いください。

虚しさに包まれた、20代の僕

内田先生の左目のわけ。
それは10代の頃に事故で発症した網膜剥離でした。最初の3ヶ月に及ぶ入院から半年後にまた再発。そしてさらに再発。
左目にメスを入れた回数も曖昧になってしまうほど。

長いベットでの生活と薬漬けの日々で、身体はアレルギー体質へと変化、苦しみに苦しみが重なり続ける若き青年の心は、生きる意味を探すことだけで精一杯でした。
やり場のない思いで眠れない夜は、あてもなく駅前の明るさだけを求めて家を飛び出し、明け方になって帰宅しました。

人の流れに逆らう日々にも、唯一味方でいてくれた人がいました。
出勤で駅に向かうその人は、いつだって「大丈夫かい?」とすれ違い際に優しく微笑んでくれました。
そう、先生のお母さまです。
世の中を斜に構えてみることだけが上手になっていく、働き盛りのはずの息子を、決して一度たりとも責めたことはありませんでした。

「母ちゃんに会いたい…」

今年2月の終わり。
大阪での講座を控えた朝、私の元に先生から電話がありました。講座前に電話が鳴ることはとても珍しく、ためらいならがら出た電話の先には
「おい…起きてたか?」と、腰の抜けたような、まるで別人のような、先生がいました。

「母ちゃんが、倒れた…」

前日の”もしかして”が、”まさか”…
どこで電話をされていたのかは知りませんが、先生は何度も何度も
「母ちゃんに会いたい…」
と嗚咽混じりにそう漏らしました。そして「悔しいよ…」と。

お母さまの異変に気づきながらも、「歳だからな…」とやり過ごした、ほんの数日前を悔やむにも、悔やみきれない…
この後1day講座が控えている先生にとって、どれほど長く感じられた1日だったかは想像に余りあります。

お母さまと再会できたのは、この日の夜中11:30過ぎ。
症状が一時落ち着き、病院のベッドの上でスヤスヤと眠っているお母さまの手を握りしめた時、内田先生は再び決心します。

「今すぐにでもやらなきゃダメだ!」

病院から出た先生から再び電話がありました。
「母ちゃんとあの写真、撮りたかったな…」と。

こんなことになるとは、誰も想像しなかったあの1月。
「残念ながら人は、悲しみや痛みを伴う事でしか見つけられない何かがあるんだ」と。

後悔のその一歩前に、僕らができることは、本当はたくさんあったはず。だからこそ
「おい、やるぞ。今すぐにでもやらなきゃダメだ!」

あれから3ヶ月。先生のお母さまは、時代を生きて来たあの時と同じ、意地と根性でご回復へと向かわれています。
先日、リハビリ病院での厳しい歩行訓練をされている動画を観させていただきました。思い通りに身体を動かせない悔しさを奥歯でかみ砕き、懸命に1歩、また1歩と前に進もうとされるお姿に思わず涙がこぼれました。

意識障害からの回復
嚥下障害からの回復
言語障害からの回復
左半身麻痺からの回復
厳しいリハビリに向かおうとするモチベーションの向上

厳しい運動がどれほど大切なことなのか、先生のお母さまはヨガ講師を務める息子へ、たくさんのことをお身体で教えてくださっています。
それらすべてはこの講座で、皆さんにお伝えすることとなると思います。

今ならまだ時間がある、後悔の一歩手前に、価値のあるヨガを。

来月6月、いよいよ初開催。
本当に素晴らしい内容になっております。そしてヨガインストラクターに限らず、高齢者と過ごすご家族の方すべてに知っておいてほしい知識が満載です。
ぜひご期待ください!

シニアヨガ指導者養成講座

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