タパス(熱行)とプランクポーズ。

さかたのりこです。

以前私が個人ブログで「太陽礼拝の練習では、プランクを2分半キープしてます。」という記事を書いたときのことです。
ひとりの女性イントラさんが、「あの記事を見て私もやってみたら、13分キープできたんですよ!」ととても誇らしげに私に話しかけてきました。

エーッッッ!?!? 13分?

確かに彼女、一目で「練習しているな〜」とわかる身体ではありますが、私だって腕っ節には結構自信がある方なんですよ!
けれど筋力があればできるのか?といったらそうではなさそうです。例えば筋肉ムキムキの男性が同じことができるかといったら、そうとも限らないはずです。
 
うーん。それが鍛錬を積み重ねたヨギーの不思議なところ!

話を聞いてみると、彼女が語る言葉の数々には、どこかヨガ哲学への深い理解が垣間見ることができます。
今日はそんなお話から。よろしければお付き合いください。
 
 
 

タパスとは…不純物を取り除いていくこと

 

ヤマ・ニヤマの教えの中に 「タパス」 という言葉があります。

日本語訳には「苦行」と書かれているものが多くありますが、「熱行」と訳す方が理解しやすいと思います。
採掘したばかりの金は、様々な鉱石と混合しています。それにひたすら熱をあて続けると、不純物が取り除かれ、やがて純度の高い金のみが残ります。

その「熱をあて続ける」という行を、生きるための知恵として当てはめたのが、ニヤマにある「タパス」。
 
解釈にはいろいろとあるかと思いますが、私は次のような理解をしています。
 

おそらくは誰もが持っているだろう興味や関心、適職、使命、才能など。
けれど自分にとってのそれらが何であるのかわからない時、どの道を進むべきか迷いがある時、諦めという言葉が脳裏を掠める時
それでも情熱や熱意を持って、信じて歩み続けなさい
その熱があなたの純度を高めてくれて、本来のあなたがあるべき姿に出会うことができる

そんな教えなのではないかと思います。
 
 
ヨガを始めた頃、難しいポーズに対して「こんなの出来っこないよ…」と思っていたはずなのに、気づけばいつの間にかできるようになっていた経験。どなたにでもあるかと思います。

決して筋力トレーニングをしたわけではないのに、ただただ夢中になって、何度も練習を繰り返していたならば、フッと身体が軽くすら感じ、決して力技ではないと気づいた瞬間のこと。

身体からは無駄な力みが取れ、心からは怖さや臆病な気持ちが晴れた、まさに不純物が落とされていった証拠ではないでしょうか。
 
では改めて、プランクというとてもシンプルな基本アーサナはいかがでしょうか?

  

実際に「プランク」をやってみると…

 
 

 

■腕が疲れる

これはよくありそうな話ですね。けれどちょっと待って!

プランクの理想的なアライメントは「タダーサナ」と同じ。脊柱は生理的弯曲を保ち、内腿どうしも寄せ合う意識です。
このアライメントが崩れると、腕ばかりに頼ることになってしまいます。
まずは、基本のタダーサナに戻って、磨きをかけていくことから始めるといいかもしれません。

13分をキープする彼女は、腕が疲れる感覚はないそうですよ!

「タダーサナなんて、簡単だわ!」なんて思っていませんか?
じっくり練習してみると、とても奥の深いアーサナなんです。
 

 

■苦しい…辛い…悔しい…!という雑念が生まれる

これ、私です(苦笑)

彼女の”13分”というタイムを聞いてから、「私だって!」と悔しさ100倍で何度もトライしているのですが、全然ダメ。手元のタイマーをチラリと覗いては
「なんだ…まだ3分か、まだ10分もあるのか…(´Д`;)」
と、雑念がどんどん湧いてきて、私の頭の中は不純な思いで埋め尽くされ始めます(苦笑)
その心の持ちよう一つで、一気に身体は疲れ始めます。不思議なものです。

かたや彼女の頭の中は?というと、大好きなさだまさしさんの曲が流れていて、「幸せです。」と言います。

え〜!私は眉間にシワまで寄せてるというのに!
逞しく生きるためには、意地や根性も絶対大事!その気持ちは譲れませんが、それだけではダメなのかな〜と思わせるのが彼女の”幸せなプランク”なんです。

 
 

アーサナ=安定、その定義とは?

 
 

 
勿体振りましたが、ここで紹介させてください。プランク13分をキープする彼女。
内田かつのり先生の秘蔵っ子、大和田礼子です。
この度、オハナスマイル駒沢大学の第3水曜日「アナトミック・ワークアウト」というレギュラークラスをスタートすることになりました。
 

クラスタイトルから「ヨガ」を外し、あえて「ワークアウト」と名付けた理由を、私から一つ付け加えさせてください。

 
アーサナは「安定」という意味。ですが、その解釈には大きく分けてふた通りがありそうです。
 

■自分が快適でいられる範囲で行うこと、快適な範囲を超えたらアーサナではなくなる

■ちっとも快適とは思えないけれども、いつか快適と言えるまで磨きをかけ続けていくこと
 
 
どちらが正しいかという議論はするつもりはありません。ですが、大和田礼子のアーサナは、紛れもなく後者の方です。 
 
「安定」という誰もが理想とするその境地に至るまでの、タパスという熱行の思いを込めた、ワークアウト。
快適さを目指したい方、ぜひ彼女のフィロソフィーに触れてみてください! 
 
そして下記のリンクには、大和田礼子の言葉で、ヨガスートラを解説していますよ!とても説得力のある言葉ですので、こちらもご覧になってみてくださいね!

毎月第3水曜日 19:00〜(90分)オハナスマイル駒沢大学「アナトミック・ワークアウト」講師 大和田礼子

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