ワークショップに参加された感想を教えて下さい!
「怪我をしない、させない。」
内田先生が、ずっとヨガインストラクターに発信し続けているメッセージです。
初めてお会いした解剖学の授業で、
「体が硬いことは悪いことじゃない。そこには必ず何か理由があるよ。」
という先生の言葉が、とても印象に残った事を覚えています。
当時の私は、どうしても自分の体の事が知りたかった。
CA時代、仕事中に首と腰を痛め、その後の無理もあって、「ヘルニア」を発症。
右膝は「滑膜ヒダ障害」という症状で手術をしていました。
怪我をする前は、20代で体力に自信もあり、どんな事もできていたし、
それが当たり前だと思っていましたが、腕が上がらない、
痺れてペンが持てない、腰が痛くて寝られない、座ってもいられない・・。
体が思うように動かせない、痛い所を抱えることが、どれだけ心を不安定にし、
無力感に襲われるのかを、身をもって実感することになりました。
自分の体の事が分かれば、この寄る辺なさが消えるのではないかと思いました。
まさに先生の言葉が一筋の光明に思えた瞬間だったのです。
インストラクターになってからも、前述の既往症から来る慢性痛には
悩まされ続けます。
気温(寒さ)や湿度でも、なんとなく重だるくなるのは、今でも
あまり変わりません。無理をすると痛くなるので、思い切って体を
動かせないし、難しいアーサナが取れない、そのことが私のネックで、
インストラクターとしては失格なのだとずっと思ってきました。
でも、私の体に起こった事には何か理由があるのか?という自問に、
ついに答えが見つかる時が来ました。
この講座では、生徒さんが訴える痛みがどこに由来しているのか、
ヨガで解決できるのか、カウンセリングや動きを通して鑑別することに
主眼を置いています。
内田先生が膝の病気で、「滑膜ヒダ障害」を挙げた時に、
その経験をしたことで、もし同じ症状で悩んでいる人がいるならば、
「どう体を使えば良いのか、私に聞いてください!」と言える強みになるよ。
との言葉は、コンプレックスだと思っていた私の考え方を変えてくれました。
優れた肉体をお持ちで、素晴らしいアーサナを見せ、生徒さんを魅了する
先生はたくさんいます。私にはそれは難しい。
でも、生徒さんの中にも、何かしら体の痛みを抱える方が多くいます。
アーサナの完成形ができる=ヨガだから、自分には無理だと
あきらめる人もいるかも知れない。
そんな方には、全部をあきらめるのではなくて、解剖学という、
転ばぬ先の杖を支えに、痛みや不調と仲良く付き合う方法もあるよ、
という寄り添う指導が、今後はより深くできればいいなと思います。
解剖学は甘くなく、海に入った後で、その深さに愕然とするように、
未だに格闘中なのですが、その人の「体の理由」を一緒に探せる先生を
目指したいと思うのです。